「そこが知りたい!病院医療のしくみ」木村 憲洋 朝日新聞出版(本体1,200円+税)
コロナ感染流行により、医療関係のニュースを多く目にするようになりました。
ふだん健康であまり病院に行かない人でも、身近?!に感じることが多くなりました。
不思議な存在
医療法第7条6には
「営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、第四項の規定にかかわらず、第一項の許可を与えないことができる。」
とあります。(条文はe-Gov法令検索「医療法」より)
病院はお金儲けを目的として開設することは許されません。
かといって、収入がないと医師や看護師など必要なスタッフを集めることもできず、施設を運営することができなくなりますよね。
病院も不思議な存在ですが、医薬品もまた不思議な存在です。
日本では、保健医療で使用される医薬品の価格は、販売する製薬会社ではなく、国が決めます。
2年に1度、価格の見なおしが行われます。その見なおしごとにほとんどの医薬品は価格が下がります。
新発売から年数が経てば、類似品も登場し、新製品としての価値が下がるということだそうです。
そして、新発売後、特許が切れ、他の製薬会社が同じ成分の医薬品を作ることができるようになると、さらに価格は下がります。(これがジェネリック医薬品です。)
病院は法律で「お金儲けはダメですよ」といわれ、製薬企業も価格を自由に決めることはできない上に、年々価格は下がっていきます。
今まで何とも思っていませんでしたが、この制度は病院や製薬会社から見たら、不思議なルールです。
病院・医薬品は人間の生命に関わるものです。だからある程度の規制は必要なのかもしれません。
という、病院や医療の仕組みを、分かりやすく解説してくれた1冊です。
病院や医療を知るためのベースとなる知識が網羅されている良書だと思います。
実は近所の図書館で借りたのですが、参考書として手元に置いておきたいので、購入する予定です。
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