「京大おどろきのウイルス学講義」宮沢 孝幸 PHP新書 930円+税
「おどろき」というタイトルに驚きです。(笑)
今この状況で、このタイトルの本が平積みされていると、ついつい手にとりたくなります。マーケティング的にも効果大かと思います。
今のコロナウイルス
著者の宮沢氏によると決して「未知のウイルス」ではないそうです。
2003年に流行したSARSウイルスと近いウイルス、亜種とのことです。つまり実は「新型」というのもあまり正しくはないようです。
今までにない症状、感染状況により「新型」ということになるのかもしれません。
人類発達の歴史の陰にウイルスあり
ウイルスというと、病気を引き起こす悪者であることが多いです。
しかし、レトロウイルスと呼ばれるもののように、人類の発達に関与するものもあり、決して悪者ばかりではないようです。
人間の胎盤はレトロウイルスがその発生に関わっているそうです。胎盤を持つことにより子孫を残すことに有利な機能を持てるようになったとのこと。
今のコロナウイルスは人間にとって災いしかもたらしませんが、こんなウイルスもあったのですね。
ネクストコロナはすぐそばに
現在のコロナウイルスのように、世界中に大流行する可能性のあるウイルス候補はたくさんあるそうです。
人類発達にも一役かったウイルスはずっと人間・動物・植物とともに生きてきているため、何かのきっかけで、害をなすウイルスとなるようです。
現在日本ではすぐに成果・利益をもたらす研究が重視されていることもあり、人間への感染が心配されるウイルスをあらかじめ見つけるみたいな地道な研究には予算がつかないということもあるそうです。
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