「エッセンシャル思考」グレッグ・マキューン=著・高橋璃子=訳 かんき出版(1,600円+税)
内容はいいと思います。
でも手離しで「いい」ともいえない気がします。
ただ、ここに書かれていることは、重要なヒントではあると思います。
「個人」としては正解、でも「組織」としては?
本書でいわれていることを乱暴にまとめると「頼まれたことは何でもかんでも引き受けるべからず」ということです。
頼まれごとはよーく考えて引き受けなさいというわけです。
さてここで問題です。
会社だと・・・
(1)AさんがBさんに仕事を依頼
(2)エッセンシャル思考に基づきBさんが断る
(3)Aさんは次にCさんに仕事を依頼
(4)エッセンシャル思考に基づきCさんが断る
Aさんはだれかが引き受けてくれるまで、仕事依頼を続けるわけですよ。
エッセンシャル思考を、会社、組織全体で共有できないのであれば、あまり意味はないのではないでしょうか?
むしろ、立場上断りづらい人に仕事は押し付けられることになりませんか?
そんなわけで、本書の内容はとてもいい考えですし、否定はしません。
むしろ、私も職場での自分のあり方を反省しようと思いました。
ただ、正社員ならまだしも、私のような非正規雇用者が本書の内容を実践したら、10倍返しで災いが降ってきそうです。
あるいは、サラリーマンとは弱肉強食の世界、いったものがち。いわれたもの負け。ということでしょうかね。
毎日全戦全敗の身としてはつらいですわ。(苦笑)
・・・と、考えてみたのですが、きっとそういうことではないはず。
こんなことを考える私はあまりにも屈折しすぎであると反省です。
ここまで入力しながら思ったのですが、この考え方は、自己主張することが当然という文化が土台にあるから、成り立つのではないのでしょうか。
「空気を読む」「忖度する」ような文化の国ではなかなか難しいのではないのかと思いました。
でも、組織全体でエッセンシャル思考を実践できれば、最強の組織となるかもしれません。
個人レベルなら「こういう考え方もある」と心に留めておくことは悪くはないと思います。
今日から数えて、TOU2023年度春の卒業式まであと347日です。
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