「感染症の日本史」磯田 道史

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「感染症の日本史」磯田 道史 文春新書 800円+税

著者の磯田 道史氏は医学者でも感染症学者でもありません。
Wikipediaによると「日本近世・近代史・日本社会経済史」がご専門とのことです。
本書では、さまざまな文書より、日本人がパンデミックと戦ってきた歴史を紹介しています。

人類 VS コロナウイルス

本書によると「ヒト型コロナウイルスが初めて出現したのは、およそ紀元前八〇〇〇年頃」であり、牧畜開始と時期を同じくするそうです。
「「ヒトと動物との濃密な接触」」により、コロナウイルスは人間にも感染するようになったそうです。

牧畜開始により、食料事情向上につながることであり、人類の生活改善には貢献したはずです。しかし、そのことが皮肉にもコロナウイルスの感染の危機を招くこととなりました。

尊王攘夷運動にも影響を与えた?

幕末浦賀沖にアメリカのペリーが来航したことを皮切りに、幕末の争乱時代が始まります。
外国人を追い払うべきという尊王攘夷の機運が高まります。
開国に踏み切った日本には諸外国の人がやってきます。人の動きは疫病をもたらします。
幕末の日本にはコレラが大流行します。さらに麻疹も大流行します。
孝明天皇は「「疫病流行の背景には、異国との接近があるのではないか」」と考えたそうです。

政治家もパンデミックに巻き込まれる

大正時代、総理大臣となった原敬は「原敬日記」という詳細な日記を残しています。
原が総理大臣となった時期はスペイン風邪の流行期と重なります。原自身もスペイン風邪に倒れます。

「原敬日記」によると、スペイン風邪に倒れた原は回復後も後遺症に悩まされている記述があります。現在のコロナウイルスでも後遺症の事例が報告されています。

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