「次なるパンデミックを回避せよ 環境破壊と新興感染症」井田 徹治

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「次なるパンデミックを回避せよ 環境破壊と新興感染症」井田 徹治 岩波書店(1,300円+税)

今まで何冊かウイルス関係の本を読みました。
こんなところまでに来ました。
さすが岩波書店さまです。

パンドラの箱

「パンドラの箱を開けてしまったのかもしれない」
(米国立アレルギー・感染症研究所 ジェフリー・タウベンバーガー博士 2020年2月26日)
新型コロナウイルスがパンデミックとなりつつ時期に出たこの言葉はとても重いです。

新型コロナはワクチンが作られ、治療薬の開発も進んでいます。アメリカ メルク社の「モルヌピラビル」が緊急認可を受けました。
少しずつ戦うための武器を手にしつつあります。

しかし、地球上には多くのウイルスが生息しています。
つまり新型コロナの流行が終結しても、またちがうウイルスによる感染症、もしかすると世界的なパンデミックが起きる可能性は非常に高いそうです。

その原因の多くは、人間にある、というのが著者の主張です。

ウイルスが動物の体内に寄生している場合、病気を起こすこともなく、共存しているケースがあるそうです。
しかし、動物の体内から出て、人間に感染したとたんに、病気のスイッチがONになってしまいます。

人間が生きるために、森を切り開き、動物たちとの距離が近くなることは、ウイルスとの距離も近くなることです。
また、地球温暖化により、気温が高い地域にしか生息しない動物が、他の地域にも生息できるようになります。このこともウイルスとの距離を近くしてしまう原因です。

著者はウイルスによる感染症の「主犯は人間」と言い切っています。

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