「ビジネスエリートになるための教養としての投資」奥野 一成 ダイヤモンド社 1,500円+税
投資の本といえば、優良株の見分け方だとか、どういう証券会社を選ぶとよいかとか、具体的な情報が多く掲載されています。
しかし、「ビジネスエリートになるための教養としての投資」はいわゆる投資ガイドブックとは異なります。
これから購入する、図書館で借りて読むというかたは、その点についてご注意下さい。
投資をすることが目的ではなく、手段である
私もちょこちょこと株式・投資信託を購入しています。
そもそも銘柄を選ぶこともそれほど深く考えていませんし、株式・投資信託を購入している理由も貯金と対して変わらないです。
今は低金利時代なので、銀行に預けるだけではお金も増えないし、非正規雇用なのでいつ雇止めとなるかも分かりません。仮にずっと働くことができても退職金は全くなし。
お給料もとても安く、かといって会社は副業禁止。
そんな中で、投資を始めました。
この本のメインテーマは、投資という行為を通じて、「一流のビジネスパーソンとなることを目指すこと」であると思います。
株式を購入するには、直近の株価や会社実績などその会社のことを調べます。
その会社がずっと社業を続けていくことができて、かつ実績を伸ばすことができるのかを考える必要があります。
それは単純に数字を見るだけではなく、その会社が取扱うモノやサービスがどれだけ人や社会にとって役立つものか、会社のあり方、トップの考え方、哲学などにも踏み込んで考えることだそうです。
事実を知るだけでなく、事実を基に仮説をたて、新たな知見を創出、そして検証します。
著者は「投資は知の総合格闘技です。」といっています。
労働者1.0、労働者2.0
著者は働き方に対する考え方をかえることを提唱しています。
「労働者1.0」とは、「いわゆる「指示待ち」ですね。上司から何か言われないと動かない人たちです。」といいます。
私も含めて、日本のサラリーマンの多くは「労働者1.0」なのではないのでしょうかね?
しかし「「他人に働かされている」というマインドセットを、「自分が働いている」に切り替えて」みると、「労働者2.0」となるそうです。
主体性を持って働くことにより、色々な仕事を体験できたり、人脈もおのずと広がります。
そして、「労働者2.0」がさらに発展し、起業、独立、さらに「資本家」となる道も開ける・・・のは容易ではありません。
でも言われること言われる通りにしているだけでは、本当に危ういし、そんな働き方は楽しくもありません。
これこそ本当の「働き方改革」だと私は思います。
「コロナショックは大きなチャンス」
テレビでも時々、新型コロナ感染が収束しない状況でも、売上を伸ばしている企業が登場することもあります。
著者は「コロナショックは大きなチャンス」と言っています。
また、
「新型コロナウイルスは確かに中短期的には人びとに大きな問題を引き起こしています。(中略)だからといって、これで人間そのものの生活が長期的に変わると過大視するのも危険です。」
とも言っています。
人類の歴史はウイルスとの戦いの歴史でもあります。
その歴史を知れば、いずれは新型コロナウイルスの感染拡大はいずれは収束すると判断できます。
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